産後のママの体

子宮

産後1週間くらいは子宮の収縮による痛みを伴いますが、その後は痛みは和らいできます。出産直後は子宮の高さはおへそのあたりまでありますが、だんだん小さくなっていき、産後3〜4週間くらいで妊娠前の状態に戻ります
母乳を赤ちゃんに飲ませたり、産褥
(さんじょく)体操を行うと子宮の戻りを助けます。

骨盤

お産のときはお産を進めるホルモンが出て、骨盤のつなぎ目が緩みますが、産後は徐々に元に戻ります。

会陰切開
の跡

産後2〜3日は多少むくみと痛みを伴いますが、1週間もたつと普通に生活できます。ほとんどの人はお産入院中に痛みはなくなります。つれる感じや違和感があっても、長くても産後3〜4週間でなくなるはずです。縫合跡も、産後1ヵ月くらいできれいになります。

悪露
(おろ)

産後は悪露といって血液のかたまりが混じったおりものが出ます。
子宮の回復が順調なら、悪露の色は赤→茶色→黄色→白色へと変化し、量も減り、ほとんどの場合
産後4〜6週間以内にきれいになります

皮膚の
黒ずみ

おへそのまわり、わきの下や足の付け根の黒ずみは、産後1ヵ月くらいから目立たなくなってきますが、乳首の黒ずみは授乳の刺激によってなかなか消えない人も多い。

体重

一般的に、出産直後は妊娠前より6kgくらい体重が増えているので、産後4ヵ月以内で妊娠前の体重の2kg増まで戻すと、6ヵ月までになんとか元の体重に戻りやすくなります。

お腹

お腹の皮膚はお産直後はたぷたぷでも、努力しだいでかなり引き締まります。
まずは
産褥体操を始めましょう。

妊娠線

乳房やお腹、ふくらはぎなどにできた妊娠線は、一度出来てしまうと完全にはなくなりませんが、産後は赤みは取れて白い色になります。

       

産後の暮らし方の目安

産後1週目

入院中。授乳や沐浴(もくよく)などの育児指導を受けながら、赤ちゃんの世話に慣れましょう。赤ちゃんの扱いに慣れるには母子同室のほうがいいですが、お産が大変で疲労の強いママは無理をしないで新生児室に預かってもらいましょう。

産後2週目

退院後、赤ちゃんと一緒に寝て起きて、おっぱいをあげる生活です。家事などはまだやめておきましょう。シャワーはいいけれど、湯船に入るのはまだです。
家事の手助けを家族に期待できなければ、保健所などに相談を。

産後3週目

赤ちゃんの世話にも徐々に慣れてきます。軽い家事を始めてもいいけれど体に無理のない程度に。布団は敷いておき、疲れたら横になりましょう。

産後4週目

布団は上げてもいいでしょう。家事もそろそろ普通にできます。
産後1ヵ月の健診で順調と言われたら、湯船に入る
入浴も可能です。徐々に妊娠前の生活に戻りましょう。

    

産後のトラブル

子宮復古
不全

子宮は、産後3〜4週間くらいで妊娠前の状態に戻るのが普通ですが、ときに子宮の収縮が悪く、回復に時間がかかることがあります。
原因は、卵膜や胎盤の一部が子宮内に残っている場合が多く、微弱陣痛でお産が長引いたときや、多胎や巨大児出産のために子宮が普通以上に大きくなったとき、分娩時の大量出血や子宮内感染なども原因になります。
ママ自身が自覚できる症状はあまりありませんが、医師がお腹を触るとわかり、お産入院中の間は必要なら子宮収縮剤を処方されるので心配ありません。
退院健診で子宮の戻りが悪いと言われても、悪露の異常や発熱、痛みなどの症状がなければ、産後1ヵ月健診まで様子をみます。多くはこの頃までに元に戻ります。
血性の悪露が長く続いたり、熱や痛みが出たら、早めに主治医に相談しましょう。

悪露の
異常

悪露は一般に、赤→茶色→黄色→白の順で色が薄くなり、量も減ってきます。
普通は、産後3〜4週間くらいで正常な状態に戻りますが、鮮やかな赤い悪露が続くときは注意しましょう。また、
血液のかたまりが下りたり、悪露に嫌なにおいがあるときも早めに診察を受けるようにしましょう。原因は、子宮復古不全や胎盤遺残、子宮感染の可能性があります。

産褥熱

子宮内膜や子宮筋に細菌などが感染して炎症が起こります。
症状は
38度以上の高熱で、原因になる細菌のタイプによって熱が出る時期は多少違います。産後1〜2日目頃の早い時期に熱が出るのは弱毒菌が、4〜5日目頃に熱が出るのは嫌気性菌が原因となっていることが多くあります。また産後1週間目頃の発熱はクラミジアが感染の原因となっていることが多いです。

血栓性
肺塞栓症
(けっせんせい
はいそくせん
しょう)

もともと足の奥のほうにある静脈に血栓が多くなり、これが肺の動脈に飛び火して詰まってしまう状態で、死亡例が多く産後の重大なトラブルです。
妊娠中は生理的な現象として、血液は水分が多い水血症の状態になりますが、重症のつわりや繰り返す下痢で脱水症状が続いたときなどに血栓ができやすくなります。その他、切迫早産、多胎妊娠、妊娠中毒症などで長い間寝たままの安静が続いた場合や、肥満の妊婦さんも血栓ができやすいとされています。

便秘

産後は母乳に水分を取られてしまうため、便秘になるママが多いようです。
赤ちゃんの世話に忙しくて、食事時間が不規則になったり、ゆったりとしたトイレタイムがとれないことも原因になります。

痔・脱肛

妊娠前から痔があって、お産で症状が悪化する場合もありますが、産後に便秘が続いたせいで新たに痔になることもあります。
産後に悩まされる痔は、肛門内側の粘膜にできるいわゆるイボ痔と呼ばれる内痔核と、肛門の粘膜が切れる切れ痔です。切れ痔は、トイレで強くいきむと肛門の粘膜が外にめくれる脱肛になることがあります。

膀胱炎・
腎盂腎炎
(じんうじんえん)

お産の時には膀胱が強く圧迫され、急激に膀胱の筋肉が伸ばされるので、一時的に膀胱の筋肉が麻痺状態となって、お産後に膀胱内に尿がたまっても尿意を感じにくかったり、尿意があっても出ないことがあります。
これらの症状は産後、時間がたつにしたがって自然に回復しますが、膀胱が強く刺激されると尿道も普通より大きく開き、産後に膀胱炎を起こしやすくなります。膀胱は尿管によって腎盂、腎臓にもつながっているので、ばい菌が膀胱から奥へ上がっていくと、腎盂に炎症が起き腎盂腎炎になります。

乳汁うっ滞

おっぱいの出口である乳管口が十分に開通していないうちに、母乳がどんどんつくられ、乳腺におっぱいが滞ってしまった状態。産後の1週間くらいに起こり、乳房がかたく張って重くなり、痛みも出てきます。

乳頭部
亀裂症

乳頭はいつも衣服でおおわれており、抵抗力が弱いので、産後急に何度も赤ちゃんに吸われる刺激で、乳頭の皮膚が薄くなり切れやすくなります。
乳頭が切れてしまうと痛みで授乳がつらくなるので、1回の授乳は左右それぞれ5〜10分できりあげる、おっぱいから赤ちゃんの口を離すときは引っ張らないなどの予防が大切です。

乳腺炎

乳頭の切れたところからばい菌が感染して、乳房の中にある乳腺に炎症を起こし、痛みのあるしこりができ、乳房の表面が赤く腫れてきます。ひどくなるとが出たり、リンパ腺が腫れたり、おっぱいにうみが混じったりしてきます。
乳頭に傷ができたときは、早めに産婦人科に相談をしましょう。
乳汁うっ滞も乳腺炎の原因になりやすいので、退院後におっぱいがしこったりして心配なときは、早めに相談しましょう。

副乳

産後、乳汁の分泌が活発になると、わきの下などが腫れてしこりができることがあります。退化したはずの乳房の名残が原因で、しこりを押すと乳汁が出ることもあります。腫れたり痛みを感じますが、ほうっておくと化膿することがあるので、気付いたら早めに受診しましょう。